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ツガ1 盆栽風のブナ4(最大) ブナのようです(枯死寸前) |
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平坦な窪地の山頂はまるで原始の世界 |
同じく 北・山伏方面への道は広い散歩道 |
ブナ6(最大) シナノキでした(斜面下で近づきにくい) コメツガ? |
鹿に食われたツガ? ウラジロモミ? 終焉を迎えつつある原生カラマツ |
根上り、根曲りが多く原始の様な不思議な世界を創りだしている |
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枯死した最大の針葉樹・他の木が着生 開花前のコバケイソウの小群生 ? ・ |
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静岡市葵区井川
奥笹山(仮称)
盆栽のブナ4
目通り 4M
樹高 10.0M
ブナ5
目通り 2.7M
樹高 20.0M
ダケカンバ
目通り 4.0M
樹高 25.0M
ツガ2
目通り 2.5M
樹高 15.0M
ブナ6
目通り 3.15M 実測値
樹高 25.0M
他のブナは直径70〜80センチです
原生カラマツ
目通り 3.5M
樹高 20.0M
最初にお断りしますがこの山は今月初め
に登りましたが、その後も各地で撮影し後
回しになってしまいました。撮った写真も多
く整理や構想を練るのに時間が掛かってし
まいました。これ以上延ばすと記憶が薄れ
てしまいますので仕上げました。
安倍奥もこの辺りまで来れば”秘境”の感
が漂う。笹山やこの奥の山伏には何回か
登ったが牛首からすぐ北に見えるこの山は
初めてだ。また察するに私以外の人もこの
山に登った人は少ないだろう。
従ってこの山には名前がない。県森林事
務所に確かめた。最初に書きますが登って
みて本当に素敵な山だ。何故なら静かで
あること、ブナ初め結構大木が多く原始の
世界が漂うなどからです。そこで勝手なが
ら笹山の奥なので「奥笹山」と名前を付け
させて頂きました。今ある各地の山でさえ
私が思うに昔誰かが勝手に付けたものが
伝承され山名に確定していったと思われ
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ます。「奥笹山」が支持されることを願う。
登ってまず失敗だったのはブナは少しは
あるだろう位の気持ちで野鳥の撮影に中
心を置いたため標準レンズを待たずに望
遠だけできてしまったことです。従って写
真が根元だけ写る様な少々”無骨”な写
真になったことをお詫びします。
登り始めは急な尾根道で、一番急な所は
少しザレ気味であるがそこにはロープが
張られているので下に”吸い込まれそうな”
感を和らげてくれるだろう。そこにブナの大
木が何本か立っていた。この尾根道を登り
きる辺りに今日最大の盆栽風のブナ4とそ
の先に直径1b弱のブナ5が立っていた。
道は急に平坦な尾根道と変わりこの道を
散歩気分で奥に進む。平坦なのでどこが
頂上か分からない。手持ちの簡易高度計
は笹山より低いが1685M前後を指してい
た。
その一番高いと思われる辺りにダケカンバ
の大木、その先にやはり直径1b強のブ
ナ6が立っていた。この辺りは平坦で少し
窪地だ。そこに全く手付かず原始の世界
が待っていた。何故か不思議と根上がり
や根曲がりの木が多い。ツガなどには深
山に生える木の苔サルオガセが垂れ下
がる。
道はやや下り加減で広い笹原を北に進
む。今は芽吹きが始まったばかりで落葉
状態と余り変わらないので明るいが夏に
なれば葉が茂り暗くなって全く情景が違
っていることだろう。
ツガやウラジロモミ?またコメツガ?などの
混じる道を進むと折返し点に大きな木があ
って根元に行くと枝が散乱している。幹の
切れ込みから原生カラマツと判断した。し
かしこの木は終焉を迎えつつある様だ。
2012,5,8撮影
アクセス
標高差200Mで登り1時間位みればいい
だろう。 |
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夏は、60年に1度という珍しい笹枯れと意外に明るい森だった |
意外と明るい山頂付近の森。下のササは全て「笹枯れ」で枯れていた |
倒木が幽玄な世界を醸し出す |
オオイタヤメイゲツ 左・径50p、中・径60p、1本とばして右・径70p
ここには「風力計」のポールが立っていた |
実測した最大のブナ6。姿形も美しい |
梅雨が明けたのか2〜3日前からよい
日が続く。山に来ると青い空に木々の
緑が輝く。
昨年9月の台風で横沢経由の道は土
砂崩れで、道の細い曲がりくねった口
坂本の道を余儀なくされている。復旧
には後1年は掛かるのだろう。県政百
年を記念して造られた「県民の森」も
平日なのか来るお客もない様だ。いつ
来てもよく手入れされていることには感
心する。牛首にくると登山口手前で工
事のためのバリケードがあるが手でどけ
て止めさせてもらう。
前回5月から2カ月経った。以前は芽
吹きが始まったばかりであるがすっかり
葉が伸び夏の佇まいだ。森も暗くなっ
ているのではと思い、野鳥の観察、花
の観察に期待を寄せる。
標高差200m厳しい登りが45分続く。
そこを過ぎればすぐ山頂でうって変わ
って平坦な道となる。驚いたのは下に
生えている笹(スズタケかミヤコザサ)
が全て枯れていることだ。「笹枯れ」は
60年に1度と言われている極めて珍し
いものだ。枯れる前に花が咲くらしい。
「しずおか自然史」(静岡新聞社刊)
によれば日本には400種以上のササ
があるが、隣接したササが交配して新
しい種ができるのは60×60の3600
年に1度とある。近くの笹で有名な笹
山や山伏の笹はどうだろうか。ひょっと
して同じように枯れているのかもしれな
い。
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山頂手前の笹枯れの平地に前回気
が付かなかったオオイタヤメイゲツの
古木が3本ある。またここには前回も
気が付いたのだが「風力計」のポール
が立っている(写真未撮影)。20mは
高さがあるポールでよく見ると四方に
倒れない様に細いワイヤーで固定し
てある。いつ、誰が、何の目的でここ
に設置したのだろうか?資材をこんな
山奥に運び設置するだけでも大変な
労力であったに違いない。それはとも
かく県森林事務所が「ここは自然風
致地区に付き無断で構造物を設置し
てはいけない、直ちに撤去してくださ
い」の内容の張り紙がしてある。県が
撤去すると何十万円か掛かってしま
う。設置者が撤去する可能性もない
ので後何十年も残ってしまうのだろう
か?宇宙人が宇宙と通信するため設
置したのではないかとバカなことを考
えた。
山頂もそうだがその奥へ続く道も思っ
たより明るい。これは意外であった。
先の台風で葉が落ちた?せいか。笹
枯れもあってまるで「自然公園」のよう
だ。
最大のブナを実測したり、前回オオイ
タヤメイゲツではないかと考えた二股
の木が双眼鏡で葉を見てシナノキと
判明した。期待した野鳥はそれこそ1
匹も鳴くことはなかった。また林床に
も花はそれこそほんの僅かしか咲い
ていなかったのは意外であった。
2012,7,17撮影
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