桜も散り始め、季節は冬から春へ変わりつつありますが、遊水地は秋から冬へ逆戻り?
まさか!と思うような風景に驚き、しばしたじろぎます。
2月末に北国へ飛び立ったと思っていたオオハクチョウが1羽帰らずに、遊水地に止まっ
ています。
それには理由があります。このハクチョウ、昨年11月中旬6羽の群れとして遊水地(第3
工区)へやって来ました。今年1月頃まではそこで過ごし、その後第2工区へきました。原
因は分かりませんが、この1羽が翼に怪我をしてしまいました。有刺鉄線に触れたのか
?或いは動物に襲われたのか?ノスリなどのタカに襲われたのか?致命傷にはなりま
せんでしたが、私が見た時は背に赤い血がベッタリ。それで一時的に飛べなくなりまし
た。丁度北国へ帰る2月、当時私は加藤島も見たのですが、この鳥はいなかったので、
流通通り反対側の立石にいたこの家族5羽と別のグループ3羽の全部で9羽が北国へ2
月末帰ったと判断してしまいました。


怪我をしたオオハクチョウ 2023,2,23 第2工区遊水地(静岡市葵区加藤島)

ところが最近遊水地で良く会う観察者が、3月中も加藤島にいるのを何度も見たと言い
また本日朝も見たというので早速ここに来ましたらいた訳です。親兄弟が飛び立って別
れた以降1羽ここに残り治療?に専念していた訳です。その甲斐あって、今日見た限り
ではすごく元気で動き回り、泳ぎ回り、パタパタをする有様でした。飛ぶ所は見ませんで
したが、飛べる可能性もあります。
さて今後このオオハクチョウがどうなるか?気になる所ですが、いくつかの可能性を考え
て見ました。しかし「自然界」の事ですのでどうなるのか?本当のところは私にも分かりま
せん。

①このままここに居残り、11月親兄弟が来るのを待つ。極寒に適応したハクチョウが35
℃の静岡市平野部で越夏するのは極めて難しいと思われるが、水鳥なので水に頻繁に
浸かって暑さを凌ぐ。
②昨11月親の後ろについて来ただけなので、北がどちらなのか全く方角が分からない
のでここにいるより他はない。
③傷が完全に癒えていないので、北国へ帰る自信がない
④仮に飛んでシベリアに到達しても、日本の何倍かあるシベリアで親兄弟を探すのは無理
なので却ってここで待つ方が賢明である。
⑤親兄弟とこうなって別れた以上、野生の本能に従って、いずれかはこの地を飛び立つ
などを考えてみました。
あなたはどう予想しますか?



2023,4,6記                  
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