遊水地に咲く花は色々あるが、よく目立つのは、春土手に咲くナノハナ、コバノタツナミ、
開けた所にはタネツケバナなどが綺麗だ。秋になれば4工区のサクラタデの群生、目の
覚めるような濃い青のミズアオイも捨てがたい。他には周りの池に咲くハス、そうそう最
近は余り話題にならないが1m以上の大きな葉のオニバスも忘れてはいけない。
所で殆ど知られていないのが今日取り上げるアサザだ。私も昨年初めて知って感動した
ものだ。何故なら牛田の下池(仮)と上池(仮)の間の遊歩道沿いの繋ぎの小さな池に
ひっそり生えていた鮮やかな黄色の水草。10年もの間しょっちゅう前を通りながら気が
付かなかった。この鈍感さ。見た時は名も分からず図鑑で知った。花の期間も短いし午
前中しか咲かないらしい。花冠は5裂し花弁の先は毛が立つようになる。遊水地広しと
いえどもここだけのようだ。北半球の温帯から熱帯に広く分布。特筆しても良い花だ


今日は「おまけ」で雷魚(ライギョ)もお見せしたい。
アサザを撮っている時水路をバシャバシャ音を立てて泳いでいた。ところでこのライギョ。
魚は悪くないのだが、今年1月オオハクチョウ4羽の内の1羽が原因不明で死んだのが
この上池、下池だ。ここにはライギョのルアー釣りの人が良く来る。私はハクチョウがル
アーの捨て針を飲んで餓死したと推測しているが、東京へ解剖するため送った静岡市は
今だ何も発表していない。河川管理者の県土木事務所もこの「事実」を知っているのか?
何故静岡市は公表しないのか?何かを隠しているのではないのか?仲介の労をとった
日本野鳥の会静岡支部は何も知らされていないのか?もし知らされているなら公表すべ
きである。そしてその事実に基づき対処方法を講ずるべきだ。仮に私が推測するルアー
の捨て針が原因なら、少なくとも第2、第3工区でのルアー釣りは釣りファンには申し訳
ないが我慢してもらうよりしょうがない。公表しないと、死因について「憶測が憶測をよぶ
」事になってしまう。人間社会ならば不審死など許される訳はない。鳥ならいいのか?こ
れでは野鳥保護、自然保護など「絵に描いた餅」だ。まさか公表しない理由の中に。ルア
ーの禁止など出来る訳はない、させたくない、だから公表しないのだなんて考えはないだ
ろうね!
オオハクチョウは世界的に見ても「貴重な鳥」だ。しかし死亡の原因も今だ追求されない
ままだ。「自然保護」と口ではいいながら何もしない。Topic3で書いた怪我したオオハクチ
ョウの際も。県庁自然保護課は見にも来ないし、「放置させて欲しい」と全くナンセンスな
ことを言っていた。今季10羽来たオオハクチョウの内、1羽が死に、1羽が大怪我をして
とうとう親と一緒に北国へ帰れず今だ第2工区加藤島に残ったままだ。10羽の内の2羽、
20%ということは非常に高い確率だ。こんな「虐待とも言うべき自然保護」をこれからも
続けるならば、ハクチョウから見て遊水地は「危険な場所だ」といって来なくなるのは「必
然」ではなかろうか?
ですからライギョの写真も私にとっては複雑な気持ちだ。
このライギョだってルアーにかかって暴れ仮に糸が切れたら、針と疑似餌が口に刺さった
ままいずれは餓死か傷が原因で死ぬ場合だってあることも考えなくてはならない。

 
 
 
 
 
 

体長は40㎝位。浅い水路を横向けになりながら遡上。雨が降り増水した時で無ければ
遡上は出来ない。ヒレが鮒や鯉より大きい感じがした。横腹に模様が見える

そして私はつたない頭で考えた。どうしてこうなるのか?その原因に行政の人事制度に
問題があるのではないか?というのは例えば教師ならば、数学の好きな人は数学の先生
、英語の好きな人は英語の先生、生物の好きな人は生物の先生に恐らくなるだろう。所が
行政はそういうことに関係なく機械的に定期異動を行ってしまう。全く興味ないのに配属
されてしまう。ですから任期中可もなく不可もない程度で過ごしてしまう。「自然保護」は
まだ分からない分野が多く大盛な研究心が無ければ勤まらないものだ。まあ全部希望通
りにはいかないにしても、少なくとも「自然保護課」に置いては自然に興味ある人、生き
物が好きな人、趣味で生物の観察や研究している人を「志願して」貰って配属しては如
何だろう。飯より生き物が好きという人間を配属して欲しい。そうすれば私が体験した「ろ
くでもないこと」がなくなるはずだ。県知事や市町村の首長はこんな考えでやってくれれ
ばどんなによい自然が保てるのか一度考えて欲しいものだ。

5/1 見頃です

   


2023,4,8撮影・記。4/10加筆。5/1追加
           
//////////////////////////////戻る